社会生活

ADHD・LDなど発達障害&グレーゾーンの子どもと暮らす


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子どもって落ち着きがなくて、そわそわし、チョロチョロと良く動き、基本的に不注意です。
しかも、ズケズケモノを言って人を傷つけ、小動物をいじめたりして残酷です。
もちろん、しっかりした子、落ち着いておとなしい子など性質の違いはありますけれども。
でも、中には病的に落ち着かない子ども、大きくなっても異常行動をする子どもがいます。
そんな場合はADHD(注意力欠如多動性障害)かもしれません。

わが子が「もしかしたらADHDかも」と思ったら、どうしましょう。
筆者は周りの大人が少しだけ気を付けてやることで、大人になってからの社会性が大きく変わるという経験をしました。
ADHD&LDグレーゾーンの子どもを育ててきた体験と、その子がどんなふうに育ってきたかを振り返ることで、大人のADHDに関する知恵も出てくると思います。



目次 Contents

発達障害とは?その症状と原因

発達障害とは注意欠如多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム(ASD)、アスペルガー症候群(AS)、学習障害(LD)などの事を指します。

衝動性、多動性障害の症状

感性豊かに育ってほしいと思い、ウチの子が3歳になる少し前から、バイオリンを習いに行っておりました。
同じような子どもが5人ほど先生についていたのですが最初は手作りの箱バイオリンから初めました。
子どもは本物のバイオリンをアゴに挟むようになって、喜びを全身で発散させていました。
あるとき、先生の前に立つその時に、急に先生の周りを走り始めたのです。
走って、走って、走って、走りました。

先生の前に立った時から先生に子どもをゆだねている親が、なすすべはありません。
先生は注意をせず、“走り”が治まった息子が位置につくのを辛抱強く待ちました。

何かに突き動かされて、部屋をグルグル走ったり、四つ這いになったり、逆立ちしたり、歩いたりすることは大人になるまで今も続いています。

でも、そのこと自体が大きな迷惑や問題になることなく今に至っています。
おそらくは大人になるにつれTPOをわきまえるようになっているのだろうと思われます。

LD・注意力欠如の症状

縦笛を学校で吹き始めてわかったことがありました。
ウチの子は、笛が苦手なのでした。
穴を押さえて音が出る。この穴がどの音になるのかという、脳内の情報連絡がうまくいかないようだと感じました。笛の発表があるというので、親子で練習しました。100回練習しました。

笛だけでなく、色々な学習を机の横に付きっきりになって練習しました。
癖になるまで練習しないとなかなか計算なども身につかず「今、この子の脳で根気よく回路をつなげているんだ。」と思いながら見ていました。

発達障害の原因1.脳機能障害

ADHDやLDの症状には、行動をコントロールする脳の働きの調整がうまくいかないことが関係していると言われていますが、原因は特定されていません。
前頭前野から脊髄を中心にして何らかの機能障害があるとの説があります。
ADHDでは脳の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンが不足気味であることがわかっています。
そうした脳機能の障害が原因の一つと言われています。

発達障害の原因2.遺伝的要素、心理・社会的要素

人の行動は1)素因 2)生育環境 3)生活環境 の三つにより決まると言われています。
素因が小さくても、生育環境、生活環境により障害が大きくなることがよくあります。

ウチの子は、生まれたときから「お茶もゆっくり飲んでいられないぐらいに」動き回る子どもで、子育てには大変な思いをしました。
下の子との間が4年あいたのは上の子の子育てが大変だったからです。

でも「はじめての子どもを育てるのは大変なものだろう」と思っていました。
子どもらしい普通の子どもでしたから。

でも、下の子が生まれて、同じ兄弟だというのにこんなにも違うんだと気づきました。
小学校に入学したあたりから、他の子とも違ういろいろなことに悩まされることが多くなりました。
子どもが、アトピーを発症したり、登校拒否をしたり、部屋に閉じこもったりしたときは本当に悩みました。

ある日のお風呂で、まだ2歳の下の子に
「おかあさんもう、お兄ちゃんにどうしてやればいいのかわからないよ・・・」
と泣きついていました。

娘は私に言いました。「そのままでいいんだよ」って。
ひょっとしたら子育てがよくなかったのだろうか。
私のせいで症状がでているのだろうか。
あんなに可愛くてよく笑う子どもだったのに、私が育てたからどこかでおかしくなったのだろうか・・・。
と自分を責める日々でした。

「ADHDやLDという症状がある」と知ることが、追い詰められているママやパパの救になります。
自分を責めすぎることなく、子どもに向き合うことがすごく大事だと今になって思います。

発達障害&グレーゾーンの子どもの親としてできること

「発達障害」が出ていることに自分を責めすぎても良い方向には行きにくいことも経験してきました。
発達障害の正しい知識をもっていることや、そのための訓練を受ける事など、親としてできることを取り上げます。

治療法を知る

■治療の目的
治療の目的は、学校や家庭で困難なことがなくなり悪循環を好転させて自信をもたせ、ADHDも自分らしさの一部として認めながら、社会生活が改善していくことです。
毎日の子どもの様子を観察し、達成感をもって自信と活気に満ちた学校などでの社会生活を送ることができれば、将来望みの大学に入ったり、希望の仕事に就くことだってできます。

■治療方法
治療には「環境調整・心理社会的支援」と「薬による治療」があります。

・環境調整
子どもの生活から過度な感覚刺激を減らし、目的に集中しやすい空間を作ります。

ウチの子はシュタイナー教育を実践する保育園で育ちました。
今、普通の社会人として暮らせる一つの要因はシュタイナーの幼児教育法にあったと言えるかもしれません。

テレビやゲームは禁止、プラスティックのおもちゃ禁止、習い事禁止(バイオリンを止めたのは保育園の方針からでした)というスタンスでしたから、不要な機械音を聞かせず、無機質で創造力を育てないおもちゃにはあまり触らずに子ども自身でつくりだす体質が、強く育ったと考えられます。

・ペアレント・トレーニング
ADHDをもつ保護者が、ADHDに対する理解を深め、家族間の悪循環をなくし、スムーズな日常生活を送れるよう対処法を学ぶプログラムです。

・ソーシャルスキル・トレーニング
ADHDの子どもが集団行動、言語やそのほかの表現でコミュニケーションをとること、自己コントロール、自己認知などの方法などの心理社会的なスキルを学ぶプログラムです。

・子どもの感覚に働きかける
発達障害を持っていると友達にからかわれたりすることもあり、生きづらいことも多かったと思います。
けれども、体質が強いお陰で「自分は自分」というスタンスを保てたのではないかと推測します。

シュタイナーは、芸術が人の感情や肉体、精神的成熟に大きな役割をしめていると言っています。そして、体の中で起きていることが行動や肉体にも発露すると考えています。
シュタイナーは人の気質には「粘液質・胆汁質・憂鬱質・多血質」の4つがあるとしています。
その中でシュタイナーがいう「多血質」の子どもはとてもADHD的なのです。

多血質の子どもに勧められていたのが“フォルメン線描”でした。
繰り返し波のような図形をフリーハンドで書いていくものですが、それを子どもと描いていた時期もあります。
フォルメン線描をすることで、内的に満たされて多動がおさまるというのでした。

多動性は幼児期を過ぎてもつづくのですが、幼児期にシュタイナー教育に出会えたので、知らない間にADHDが改善されていたのかもしれません。
普通に学校生活を送り、社会人として普通に仕事をする現在です。

薬で治療する

ADHDに限らず、社会に出た際にぶつかり二次障害が起きる事が多々あります。
人にばかにされたり、からかわれたり、ハラスメント受けたりして自尊心が傷つき、それが昂じるとウツ症状が出ることもあります。

そうなることを防ぐために必要とされる場合に薬が処方されることがあります。

薬の種類
・注意欠如多動性障害治療剤
・中枢神経刺激剤



発達障害&グレーゾーンの子どもへの接し方

1歳~8歳

・言葉の遅れ/子どもは語彙がまだ少なく、自分の体や心で起きていることを表現することができません。

絵を描く、唄を歌う、体を動かすなどで「子どもに起きていること」が発見できることがあります。そしてそうすることで発散もしています。言葉が遅れていても、他の得意な表現方法でよく観察し気持ちを汲み取り、言葉にしてあげるとスッキリした表情になることがあります。

・けんか/感情がとめどなくあふれて収まらなくなる前に引き離します。どうしても手が出てしまいがちで、怪我をすることを防ぐためでもあります。

・親子げんか/ADHDなどの子どもはこだわりが強く、テコでも動かない時がありますから、親は堪忍袋の緒が切れることもあります。そうして「いう事を聞くいい子」イメージが親子共にくっついて「いう事を聞かない悪い子」イメージが子どもを悩ますことになります。

怒りすぎてしまったときには、抱きしめてごめんねと謝りましょう。寝顔に謝るのもいいです。
怒りがこらえきれなくなる時は、大きく深呼吸をすると落ち着きます。

「こども叱るな、来た道じゃ」という昔の人の言葉を思い出すといいです。

・子どもがなにも聴いていないと感じる時/子どもと同じ目線で、しっかりと瞳を合わせて、話しかけます。子どもに話しかけられた時も、動かしている手を休めて同じ目線で瞳を合わせて話を聞きます。

・読み聞かせ/本をたくさん読み聞かせた子は語彙力が増えてテストもいい成績をとってきます。童話や素朴な民話は子どもの心の栄養です。困ったことを乗り越える力になります。

『星の金貨』『白雪姫』『灰かぶり(シンデレラ)』など、子どもの成長過程ででてくるハードルを乗り越える知恵と勇気を与えてくれます。

小学校中学年までは、子どもが嫌がらなければ読み聞かせを続けましょう。そのうち、自分で本を読むようになるまでの助走期間です。

・伝えたいことを伝える方法/一回につき一つの事を同じ目線で瞳を合わせて伝えます。

9歳~13歳(思春期)

いわゆる思春期の子どもへの対応です。
子どもの志向が出始める時です。
将来の仕事との関連が出てきたり、興味のあるものとそうでないモノがハッキリしてきます。

ウチの子どもで言えば、車のカタログを集め、車の絵を描き、性能表を描き、想像の中で遊んでいました。
たくさんたくさん書きました。
車だけでなく家電製品のカタログも集め始め、カタログだけで何メートルにも積まれていました。

部屋を、何かをブツブツ言いながら歩き回ることや、這いずり回る(?)ことを目撃しても問いたださず(いつまでアレをやるんだろうと不安になりつつも)放っておきましたし友人関係についても一切干渉はしませんでした。
そういうことが中学生まで続いたと思います。

一人でいる時間が絶対に必要な子どもなので、趣味や興味のあることに没頭する時間を阻害しないことです。
高校生まで一人遊びが好きで友達もいるかいないかよくわからなかったのですが、大学生になると、がぜん変身しました。
自分で接客のバイトを決めて4年間やり通しましたし、原付バイクの免許を取り、自動車の免許をとるお金も自分で工面して計画的に取得しました。驚くばかりの”安定”の行動力を発揮しました。

衝動性を止めることができない一面が、地下鉄の緊急ボタンを押すという行動になったことがありました。
引率の先生にこっぴどく叱られた親でした。

14歳~19歳

最も知性を発達させる時期、これまでのように経験することで身分のものとしてきた狭い世界から、無限に広い思考の世界へと旅をします。
受験を経験することも多く、受験勉強への集中や計画性などで将来の社会的スキルのベースを磨き上げる時期です。

元来、人なつこくて褒められること、喜ばれることが好きな子どもが親離れする時に、自分が褒められる価値のある人間だと知っていることは自立を促します。
思春期に荒れて親に認められず、関係がうまくいかないと、何らかの形で自己承認欲求を満たそうとします。

こじらす前に、「子どもの心理的、精神的に今どんな状況にあるのか」ということをよく観察することです。
社会生活がうまくいかなくて学校で孤立しているような状況を把握したなら、メール交換などで、心の地を吐露することで復活できることもあります。
「学校に行くことだけがすべて」ではないので、様々な選択肢の中で子どもに必要な環境を提案できるとよいです。

発達障害&グレーゾーンが大人になっても残っている時

「集中して話を聞けない」「貧乏ゆすりがとまらない」「お金の管理ができない」「忘れっぽい」「時間の管理ができない」「思いつきで行動する」「できない事をできると言い張る」・・・なんて、誰にでも身に覚えがあるでしょう。

普通の事です。
普通のことが度が過ぎていたり、強引すぎて他人の迷惑になっていたり、人と協力関係を結べないと社会生活に支障をきたします。
そう言う場合はADHDである可能性が高いかもしれません。

小さいころの落ち着きがない、注意力が足りないという性質を人にばかにされたり嫌われたりすることで自信を無くし、自己承認を求めてさらに注意されることで「自分は可愛がられない」「自分はダメな奴」と思い込みこじらせ、大人まで引きずります。

自分が解ってもらえることに絶望を感じる時、自分を認めてくれる人があらわれると「神視」します。
神とあがめてその人のためなら何でもできてしまいます。



大人のADHDとのつきあい方

大人になっている場合は、自分自身がADHDとどう付き合うかという事と、家族がどう付き合うかいという両面からのアプローチが考えられます。

家族のADHDとのつきあい方

・過干渉にならない
・自分で選択することを尊重する
・被害妄想が肥大する時は、傷つけるためではなく、守るためだということをキチンと説明する
・他人に迷惑になること、危害を及ぼす事、犯罪にかかわることに関しては適切に措置をする
・自信がないので虚勢を張ったり、強引に自分を押し通そうとするが、「無理」と客観的判断ができるならば止めることも大切。バーンアウトしてウツやパニック障害、過呼吸などになるケースもある。

自分自身のADHDとのつきあい方

・信頼できる人とのつながりを切らない
・人を試そうとしない
・自分の言動がどんな影響を周りに与えているか、ノートに書いたりしながら想像する
・良い影響を人に与えようと努力する
・自分は他の人と違って特別な存在なのだが、他の人も同じように特別な存在だという事を知る
・思いついたことを他の人と一旦共有して様子を見る
・自分の意見が否定されるとき、一旦「そうですね。確かに」とつぶやいてみる。
・自分の意見が否定されるとき、相手は自分をいじめるために言っているのではなく、自分のために言ってくれていると考えてみる。どうしても自分のために言ってくれているとは考えられない場合は勝手に自己解釈せず「それがどうして私のためになるの」と聞いてみる。
・物事の判断はすべて「正解」であり「不正解」であると知る。自分の判断であっても同じ。他の人の意見と食い違う時は、ごり押しせず、納得するまで話し合う。
・「どうせ分かってもらえない」と思っても、一人で完結せず必ず誰かに自分の気持ちを話し続ける。
・「わかってもらえない」と決めない。「必ずわかってもらえる」と決める

 

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