五頭連山の麓、阿賀野市にある五頭温泉郷は、新潟県内で最も古い温泉といわれる出湯温泉や世界有数のラドン含有量を誇る村杉温泉、弘法大師開湯と伝えられる今板温泉の総称をいいます。年間約12万人が訪れ、県が2013年に発表した満足度調査で1位に輝いたということです。1000年以上の長い歴史を持っており、県庁が新潟市に移る以前は、明治から水原(現阿賀野市)にあった中心地であり、「新潟の奥座敷」として多くの人を集めまていました。その中には戦前三度内閣総理大臣となった近衛文麿などもいます。
五頭温泉郷はその他多くの文人や画家を集め、竹久夢二もこの地を訪れているそうです。
目次 Contents
五頭温泉郷をめぐる
出湯温泉
その名前は古くから知られ、全国の温泉を格付けする江戸後期の温泉番付にも記されているそうです。明治時代から昭和30年代にかけ湯治場として栄え、市島春城や竹久夢二、会津八一ら有名人が多数訪れた記録が残っています。湯は皮膚病や神経痛に効くといわれ、出湯の旅館は太平洋戦争中、陸軍傷病兵の病院としても使われたということです。
村杉温泉
1335年、足利家の武将だった荒木正高が、薬師如来のお告げで温泉を見つけたと伝えられています。1914年、新潟医学専門学校(現新潟大医学部)の教授の調査で、温泉中にラジウムエマナチオン(ラドン)が多く含まれていることが分かって注目を集め、当時の新聞にも「村杉のラジウムは世界的レコード」と紹介され、村杉温泉の名が全国に知れ渡りました。
村杉の長生館には多くの文人墨客が訪れました。相馬御風や日本画家の橋本関雪、近衛文麿首相が記した文や書が今も残っているそうです。御風は先々代の社長と親しくし、手紙のやりとりをしていたといいます。
今板温泉
今板温泉は、弘法大師が五頭山を開いたときに、湧き出してた源泉を発見したことが始まりと伝えられています。明治の終わりから大正の初めにかけ、今板集落の有志が、観光振興のために温泉街を造ったそうです。
五頭連峰(ごずれんぽう)
阿賀野川と北方の加治川の間に隆起した花崗岩の山塊を五頭連峰といいます。900m級の低山群ですが、飯豊連峰の前山として蒲原平野に面しており、五頭山は五つ子のような峰を揃え、行基菩薩や弘法大師巡錫の伝説をもつ山として、古くから講中による白衣の信仰登山が盛んであったといいます。
現在は登山入門の山として親しまれ知名度も高く、6月の山開き行事には2000名もの登山愛好家が集まって賑わうそうです。南に連なる菱ヶ岳への縦走や、東面、中ノ沢集落への山塊横断も人気があり、冬山訓練の場としてしっかり整備され、山岳会の入山も多い山なのです。
2時間程度で手軽に山頂に立てることもあり山頂はハイカ-で賑わうそうです。下山後の出湯、村杉、今板の温泉につかり登山の疲れを癒せることも人気の秘密なのでしょう。
五頭山の五つの峰の五つの石仏
五頭山(ごずさん)は、山名が示す通り五つの山頂からなり一の峰~五の峰がありそれぞれの山頂に登ると石仏があります。一ノ峰の観音様、二ノ峰の薬師様、三ノ峰の不動尊、四ノ峰の毘沙門天、五の峰の地蔵様の石仏が各峰に祭られているのです。
かつては「いつつむりやま」とか「さみだれやま」と呼ばれていた五頭山。
大同元年(806)8月10日空海が唐から帰着した際、現在の阿賀野市天神堂の三蔵坊宝蔵院に行き着いたとあります。宝蔵院は空海を案内して五頭山に登り、その際「無双之霊山仏法神繁栄ノ地」と霊感を感じ、大同4年3月23日空海36歳の時、五頭山大権現へ地蔵菩薩、観世音菩薩、薬師如来、不動明王、毘沙門天の五尊を勧請し本尊として五頭山を開山したということです。
何らかの意志やメッセージを以て5つの山塊が生まれたという事だろうと思われます。
五頭山の麓に鎮座するスゴイ神社、旦飯野神社(あさいいのじんじゃ)
地元民にとって願いを叶えるパワーが半端ないと有名な旦飯野神社(あさいいのじんじゃ)が阿賀野市宮下にあります。村を開拓した長野麻呂の子孫である鈴木氏が代々神職をつとめているようで、元々は鈴木氏邸内の氏神様であったようです。
当社には空に火球が出現して佐渡から旦飯野神社の境内のどこかに下ってきたという不思議な伝承もあります。本殿の裏手にある「御神霊石」はこの伝承にちなんだ巨石であるとのことですが、これは五頭山中からもたらされた自然石で、昭和57年(1982)に寄進されたそうです。この御神霊石に願いを込めて触るとご利益がある、として参拝者が紹介しています。
新潟ってUFOがよく出現すると言われているよな。。。
フォッサマグナの上であり、火山帯であり、遠い昔に噴火で「火球」が飛ぶのを見た人もいるのだろうな。。。
などと想像が膨らみますね。
神社ではおみくじ・塩・甘酒などが無料でいただけるようですし、シイタケやミニトマトもいただけるそうですよ。
筆者のオフィスの近くの神社も季節になると玉ねぎやネギがおいてあり、参拝者はいただいていましたが、時々そのような神社に巡り合いしあわせな気分になりますね。滋賀県の日雲神社では榊をいただけました。
ただ、おみくじが無料とは。
旦飯野神社
ご祭神/ 誉田別命 配祀 豊受姫命 相殿 天照皇大神、天児屋根命
住所/新潟県阿賀野市宮下968 地図
問い合わせ先/0250‐62‐4755
”五つ”が意味するもの
五という数は「木・火・土・金・水」の五行であり、人の感覚を五覚として視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚が上げられます。この世の森羅万象すべてが5つの階層に分類できるとされているのです。
例えば最初の戒律も五つ。「殺してはならない」「盗んではならない」「邪淫にふけってはならない」「嘘をついてはならない」「酒たばこを喫してはならない」というものがあります。
シュタイナーの幼児教育理論の中には「ペンタトーン(レミソラシ)のなかで子どは育てるべし」というものがあります。
五行のもととなっているのではないかと考えられる日本古代語があります。「ゐくら(五座)」というものです。
ゐくらとは東・西・南・北・中央の五つの座を守る神であり、5つの元素である空・風・火・水・土が交わることで森羅万象が生まれたと語ります。
ゐくらはまた、人のボディの五階層である五体(しむ・しい・たま・みやび・なかこ)を表します。
人間ならだれも備え持っている五つのボディは、現代では意識されていなくて、意識されていないモノ、見えないモノはないものとされています。かろうじて「あの人にはオーラがある」「オーラがスゴイ」などというように表現されることはありますが。
5つのボディである五体をしっかり生き生きと働かせることで、オーラが輝きだし、オーラで自分自身の命を守り、家族を守り環境を守っていくのだとおもいます。
五頭山の5つの峰は、そのことを教えてくれているのかもしれません。
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