飲みやすいフルーツ青汁を販売し巨額の富を得た”青汁王子”が脱税疑惑で拘束されました。
ド派手な金マン生活を見せびらかせていた容疑者が「目を付けられない方がおかしい」という向きもあり、メディアの取り上げ方も半ば「あきれ顔」の体です。脱税としては「べた」であり、わかりやすい、と。脱税の容疑が固まったところで地検特捜部は動きますが、最初「脱税が疑われる」ところまではいったいどのようにして、脱税者を見破っていくのでしょうか。
目次 Contents
まず、脱税ってなに?なぜバレる?
「ゴルフに行ったのを経費として計上した」「妻との会食を経費として計上した」ということの問題としては経費としては認められるかどうかであり、これは脱税ではないということです。「売上を上げたのに、故意に計上していない」こと。これが脱税です。
脱税の手口としては次があげられます。
・売り上げを少なく計上する
・経費の水増し計上
・在庫をごまかす
このような脱税を働いた場合、バレる経路は三つあるそうです。
1.税務調査
2.収入に見合った資産状況かどうか
3.密告
順番としては、その人の暮らしぶりを観察するところから税務調査員の情報収集が始まるようです。エリアの脱税しそうな職業の人々を調べ、テレビを見る、SNSをみる、など情報収集係が存在するといいます。目をつけると、その人の税金に対する考え方などまで調べていくと言います。”青汁王子”の場合は、テレビ出演し、部屋なども披露していたようです。著作に日本の税制に関する不満も述べていたようですから、限りなく「黒」となるのに時間はかからなかったのかもしれません。カルロス・ゴーンさんが逮捕されたのは「密告」によるものだろうと言われています。
そのようにして得た情報をもとに「特別調査」か「一般調査」として入り、資料や社長への質問などでせめこんで行くのですね。
税務調査官が脱税を見破る方法
まず動き出すのは税務調査官といわれる職員です。調査官は「調査の手引」を見て、調査先の業種・業態を勉強してから調査に臨みます。「調査の手引」にはすべての業種が網羅されており、業種別の商慣習、記録帳簿、調査の展開方法、過去の不正事例などが詳細に掲載されています。この「調査の手引き」は経験を積むごとにどんどん経験値を増やしていける、先輩たちからの”申し送り事項”ともいえそうです。
税務署では調査を「一般調査」と「特別調査」に分けて、対象者の協力のもとに行う任意調査があります。一般調査は平均4日間、特別調査になると平均で10日間の期間が与えられているということです。特別調査を行う「特別調査班」では調査の技術開発や困難事案を担当するという。
■売り上げに計上漏れがないか
・一定の顧客の現金の売り上げ漏れがないか
・一つの通帳のまるごと抜けがないか
・毎月一定量の抜けがないか
・特定の曜日だけの抜けがないか
社長へ主な取引先を聞いて、つぎに外注先を聞く。そしてそれぞれの主な仕事を調査します。
会社の粗利を質問し、取引先と外注先に対する売り上げと経費のバランスの歪みを見抜く。
※脱税する人の傾向としては「売り上げを計上しないが、売り上げを上げるための経費は計上する」
■経費を水増しする方法
・白紙の領収書を受け取る
・領収証を偽造する(書き換える)
・人件費を水増しする
・架空仕入れ
”青汁王子”の場合は架空経費を計上して脱税した容疑とのことです。
■在庫のごまかし
粉飾決算でよく行われる手口
税務調査の後にやってくるのは誰か
所管税務署による税務調査
税務調査を行って、疑わしいとなった場合は「所管の税務署がやってくるのか、国税局査察部(隠語で「マルサ」「6階」といわれる)がやってくるのか。」それに関しては脱税疑惑の規模などにもよるようです。
国税局査察部による査察調査
国税局査察部実施班であるマルサが動くためにはまず内定班による調査が必須で、銀行への出入りや店舗での張り込みを行います。また、確定申告書に乗せている取引先情報をデータベースで読み込めば1分で相手方の情報を入手できるといいます。取引先が架空会社であればなおさら、無申告の場合もすぐにバレるのです。取引先との入手金の「形」で不正がわかるというのです。内定班が調べ上げ、のちに実施班によって査察が入る、という流れになります。架空会社の場合金銭の入出金をする場合の銀行口座が必要ですが、銀行口座の売買が行われることがありますが、今は、口座を売った側も罪に問われます。こうして国税局による調査の結果60%以上は「告発」されるといいます。査察に入ったときに告発されないための主張を行うことができます。強制査察はできるが起訴はできない。
検察による特別捜査
国税庁の告発により地検によって逮捕、勾留することができ、最終的に起訴に至るのは70%強となります。検察に意見書を提出し起訴されないよう働きかけることができます。
裁判
起訴されると裁判では99%有罪となっています。
脱税者はどこにお金を隠すのか
これまで実際にあった話として元国税庁職員が言うには・・・
・庭の植木の下の地中に金の延べ棒が多数
・トイレのタンクに貸金庫の鍵
・天井照明器具の電球の中
・米櫃の中に現金
・縁側の下に金庫
・ベッドの下に金の延べ棒
・頭(ズラ)が異様に膨らんでいて200万円
素人が下手な脱税に手を出さない
素人が考えた脱税の手口など、長年にわたる脱税を見抜く技術と、最新データ管理によれば、赤子を手をひねるようなもの。悪いことはするものじゃないですね。税制に不服があるとしても、選挙にきちんと行って、政治家を選び、政治家に税制改革の法案を提出してもらい、国会での議論の末に税制化していくという手続きをすっ飛ばしてしまえば、それは裁かれて当然のことなのですから。
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