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『音楽の本質と人間の体験』シュタイナー著 西川隆範訳拾い読み。
前半記したものが消失したので頭の中に留めるとして、途中から
目覚めた時の、目などの物質的エーテル的感覚器官で知覚できる4つの領域
鉱物界
植物界
動物界
人間界
アストラル体と自我で体験する超感覚的領域(夢の中)
アンゲロイ(天使界)
アルヒアンゲロイ(大天使界)
アルヒャイ(人格の霊・時代霊)
エクスシアイ(形態の霊・領域)
デュナミス(動きの霊・文化文明・惑星)
キュリオテテス(叡智の霊)
※普通は超感覚器官が欠如しているために意識的に知覚することはできない。
思考は人間の頭の中にあるのではなく、宇宙という水槽に広がってあるもの。
超感覚世界は、人間が世界を理解する思考が外なる宇宙にあることを教えてくれる。
宇宙から流出する思考は4世紀までエクスシアイが担っていた。
古代ギリシャ人は形態を通して宇宙の思考を感じ取っていた。
4世紀以降アルヒャイが思考を引き継いだ。
そして、人間は自分の思考をはっきりと感じるようになった。
言語は歌からはじまった。「子音は身体」「母音は魂」
言語は「子音」と「母音」からなり、「子音」は人間の身体造形に基づいている。
どの言語も12の「原子音」からなり、それは身体全体を表している。
人体とは楽器であり、感情が子音をして全体的調和を示し人体の姿になる。
「母音」は魂。
母音を発する時頭脳―神経組織を使用する。
人は「子音」と「母音」で自己を表現する。
瞑想によってイマジネーション認識を得る時人間は肉体を失う。「子音」を失う。
そこにあるものを表現するなら完全に様々な色調の「母音」のみで構成される。
次にインスピレーション認識に至り、霊の啓示を受け取る。
そのとき地上の「子音」は失われそれと対になっているものが母音として歌われる。
宇宙の音楽は常に流れ、地上では空気の中に生きている。
人間が大地の上に立つように、音は空気という抵抗を地盤にしている。
子音と星座の関係
死後、人間は土星、太陽、月、牡羊座、牡牛座などを住居とする存在が発する響きを聞くことになる。
惑星は遠ざかり、12の「子音」を持った12黄道宮が人に近づく。
天体すべてから語りかけるような歌を聞く。
牡羊座の背後には土星があり「母音」的印象を与える。
惑星界は母音を通して宇宙空間の中で歌い、恒星は子音を通して惑星界の歌を貫く。
宇宙から語られる12の「子音」が人体。
12黄道宮が肺であり、心臓を形作る。
人間から子音を取りだすと彫刻ができ、魂の呼吸を行った人間から母音を取り出すと音楽、歌が発生する。
呼吸はアストラル体とエーテル体の交換
メロディーは表像に相応し、ハーモニーは感情に相当し、リズムは意志に相当する。
音の形態は人間全体に相当する。
アストラル体と共に空気を吸い、エーテル体と共に空気を吐き出す。
呼吸はアストラル体とエーテル体のリズミカルな交換作用。
多血質の人はエーテル体がアストラル体をうちつけるのに覚える快感、躍動感、高揚感、安堵感は、長調音階に基づく。
憂鬱質の人はアストラル体がエーテル体をうちつける時に覚える快感は、短調体験に由来する。
赤 ア
橙 紫
ウ オ
黄 青
緑
母音 音階 神 人体
火星―E ド マルス(アレース) 喉
水星―I レ メリクリウス(ヘルメス) 頭
木星―O ミ ジュピター(ゼウス) 腹
金星―A ファ ビーナス(アフロディーテ)胸
土星―U ソ サターン(クロノス) 下腹部
太陽―AU ラ ソル(ヘリオス)
月―EI シ ディアナ(アルテミス)
牡羊座―W
双子座―H
蟹座―F
獅子座―T
乙女座―B
天秤座―C
蠍座―S
射手座―G
山羊座―L
水瓶座―M
魚座―N
音の媒体は空気ではなく水
中国人において物質とエーテル体は結合している。
そして、エーテル体と感受魂は結合している。
そして、感受魂と悟性魂が結合している。このような構成が中国の音階を作っている。
人間は空気の中で表現される音を知覚する。
しかし、空気は完全に適した媒体とはいえない。
音の本質を知覚するためには水か湿った空気の中で知覚する必要がある。
ウィーンの土壌はヨーロッパのあらゆる地理的状況を含んでおりウィーン盆地で殆どヨーロッパの地理すべてを研究できるほど。
霊的な世界に在るものがいかに密接に土地と関係しているか。
なぜウィーンにそのような状況があるのかを考えると、「音階」に行きつく。
音楽的才能がある人物がウィーンに定住できる土地条件があるということ。
オーストリアのグラーツは、ムール側の不快な音で音楽的に妨害されている。
ウィーンは土地環境、山並みがすでに音楽的。
リズム(律動)組織に惑星は関与する
頭部、総合神経組織―土星
目、感覚器官―木星
言語、歌器官―火星
共感的な神経組織―金星、水星
音の世界を通して人間の魂の営みは深化し活気づけられる。
音という窓を通して人は感覚界から霊的世界に上昇する。
個々の音の背景に道徳的な体験をする。
一度で上昇―危険に満ちている。粉砕し消滅する。無言の世界。
二度で上昇―弱さを憐れむ力。人間を慰める力。
三度で上昇―霊的な事柄に関して虚弱さを感じる。
自分自身が三度になる。
音楽家は三度を通して霊的世界に入る必要がある。
三度を通して霊的世界に入るといつも同じ友人に出会う訳ではなく体験、気質、自分の生活状態次第でさまざまな友人と出会う。多様な音の世界が生じる。
四度で上昇―三度の音の思い出がエッセンスのように生じる。
五度で上昇―魔法の杖のように計り知れない深みから音の世界の秘密を呼びだす。
世界の現象を内的に体験する。
このような色彩体験、音体験、形態体験、芸術体験を通して人類が進む道を見出す。
訳者あとがきより
インド音階―魂・頭・腕・胸・喉・腰・足の神。
せいめい音階―宮(中央、大日如来)・商(西、阿弥陀如来)・角(東、アシュク如来)・微(南、宝生如来)・羽(北、釈迦如来)この五音が三重に用いられた呂と律の旋法
中国音階―黄鐘~応鐘まで12律
ピュタゴラス音階―7音音階。人間界から神界へ上昇する。
10世紀ギリシャ音階の原理を基にしたグレゴリオ旋法⇒16世紀イオニア旋法とエオリア旋法から長音階と短音階が成立。
ドビュッシー―全音音階
シェーンベルク―12音音階
※シュタイナー教育の観点から言及すると幼児がピアノに触れることや、電気回路を用いた楽器や録音再生も心身の成長に障害をもたらす。
学生時代の霊体験を確固とした基盤のあるものにしたいと思っていたシュタイナーに、音楽は決定的な意味をもたらした。
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