2018年10月28日、「”今年も”暴徒化したハロウィン紛争の若者」をニュースに対し、テレビの情報番組などでの有識者&出演者コメントは「若者はパーティの楽しみ方を知らない」「若者の正体をみた。こんなものだ」「犯罪は犯罪」など厳しいコメントや半ば擁護するような意見も述べられていました。その中でもよく耳にした言葉は「本来は”収穫感謝祭”なはず。日本でやるとお祭り騒ぎになる」というコメントでした。
※10月31日午後6時ごろ(5時50分)、東京・渋谷区宇田川町でビルの屋上から火が出ていると消防に通報あり。消防隊14隊と消防ヘリが1台出動し、上空からも消火活動が続けられています。消防隊がビルに取り残された人やけが人などを現在、確認しているということです。現場はJR渋谷駅から約500メートルの飲食店などが立ち並ぶ繁華街 ライブドアニュースより
※ハロウィン当日でごった返す渋谷のセンター街で、ビル火災が起きた。東京消防庁渋谷署によると、午後6時9分に119番通報が入り、消防車20台が現場へ向かった。火災が起きたのは、JR渋谷駅から北西約500メートルの渋谷センター街の一角で、渋谷区宇田川町の地上6階建てのビル。飲食店などが入っている。
消防庁によると、けが人の有無については確認中で、午後6時40分の時点でビル2階の内壁に若干延焼が確認されているといい、屋上のダクトなどが燃えた。原因は分かっていない。
現場では、人込みをかき分けるように規制線が張られ、午後7時の時点で消火活動が続いている。 ヤフーニュース
これは、クリスマスの本来の意味は・・・、バレンタインの本当の意味は・・・という意見と類を同じくする見解だと思います。本来の意味も知らないまま「商品広告に乗せられて流行る」「流行らせる」という日本での販売戦略が功を奏した結果、便乗して悪ふざけが起きてしまったというご意見です。また池上彰氏が「ニューヨークのようにハロウィンパレード化したら暴徒化が収まるのでは?」というアイデアを出していました。
「ハロウィンなんて、日本には要らない」という意見が6割を超える「しらべぇ」の調査もあるようですが、日本とハロウィンの関係をもっとよく調べてみたくなりました。
目次 Contents
ハロウィンの起源
ハロウィンの起源は「ケルト民族」にあります。ケルト民族のコヨミ(カレンダー)には太陽暦と太陰暦が使用されていたそうです。太陽暦の節目である「冬至」「春分」「夏至」「秋分」という4区分と、月の満ち欠けで分けられた2月、5月、8月の満月と11月の新月という4区分の合計8区分で、お祭りがおこなわれたようです。
太陰暦でコヨミを作ると日にちが毎年一定しませんので、ケルト民族が他の文明に征服されキリスト教化する段階で例えば11月の新月(朔日ついたち)=11月1日という風に決められた経緯があるようです。
で、なぜ11月の朔日が新年だったかについては、ケルト民族の思想に原因があるという見方があります。
ケルト民族の一日は夜に始まります。それはコヨミを支配する「月」の月齢が今日はどうなっているかを見やすかったからではないか。そういう考え方をするならば、一年の区分においても「暗い半年」が始まる11月朔日(ついたち)が一年の始まりだ、という見方です。夜から一日が始まりますから、10月31日の夜からハロウィンの祭りを行うということです。
日本でいえば立冬が11月7日ごろですから、「陽が短く暗く寒い冬の始まり」とケルト民族の新年とは近い位置にあります。
ケルト民族の大事な新年を迎える日が、今でもハロウィンとして残っているということになります。ケルト民族の祭りを地球にいきる民としてともに祝うことは、別に悪い事ではないようにも思えますね。
ただ、なぜ、ゾンビなのか?というところは気になるところです。
ゾンビやお化けとハロウィンの関係
ケルト民族の年末年始のお祭り「サウィン」には、死者の霊が家族を訪れるとされていました。同時に現れる悪い妖怪や魔女などから身を守るために「仮面」を被り、魔よけの火を焚いたのが「ジャック・オー・ランタン」となったそうです。
ハロウィンの起源は、日本のお盆に近い雰囲気があったのではないかと想像します。お盆には「迎え火」を焚きご先祖様の霊を迎え、「送り火」を焚いてあの世へ送ります。
ハロウィンはイギリスからアメリカへと渡っても引き継がれ、その間に少しづつお祭りへと変化したようです。「仮装」を楽しみ、家々を回ってお菓子をせびり、貰えなければいたずらをし、そしてある時、お化けに仮装した日本人留学生が訪れた家で銃弾に倒れるということも起きました。
日本では、東京ディス二―ランドでのハロウィンパーティがきっかけとなって、普段はコスプレをする勇気のない人を巻き込んで「コスプレハロウィン」は若者の間で急速に広まったという事です。今ではアミューズメントパークのハロウィンパーティだけでなく、六本木ハロウィン、渋谷ハロウィンなど街や商店街など全国でハロウィンパーティが開催され、ハロウィン扮装で現れると入場料がお得になるなどの特典が設けられています。10月半ばに行った名古屋の公園でも、子供たちがハロウィンの扮装で集まっているのを見かけましたよ。
筆者から見れば「悪霊の姿になったら、逆に乗り移られそう・・・」とちょっと怖くてハロウィンはずっと見て見ぬふりでしたが、実際、その念はぬぐえません。「日本にハロウィンはいらない」と答える人が6割いるとして、筆者もその一人です。なぜそう感じるのかを掘り下げてみます。
ハロウィンと関連しそうな日本の行事
日本の総氏神様とされる伊勢神宮(いせじんぐう)では年間に様々な行事が1000年以上に渡り行われていますが、その中でも最も大切な行事と言われるのは「神嘗祭(かんなめさい)」です。
■神嘗祭(かんなめさい)
その年に収穫されたお米を天照大御神(あまてらすおおみかみ)にささげ、神恵みに感謝をささげるお祀りで、10月15日から25日にかけて開催されますす。11月23日からの新嘗祭(にいなめさい)では、天皇陛下が天神地祇(てんじんちぎ)すべての神々に感謝をささげる祭りがおこなわれるのです。日本でもやはり同時期に重要な祀りが日本古来のやり方で連綿と今に続けられているのですね。
神嘗祭とはいわば「収穫感謝祭」にあたります。では「年越し年始」の祭りはあるのでしょうか。これが旧暦の年末年始にあたる2月3日ごろの立春に各地の神社やお寺や家庭で行われる「節分」です。神嘗祭は神様に奉ずる祀りで粛々と行われ家庭で行うことはあまりありませんが、節分は家庭のお祭りといってもいいほど、全国で豆まきが行われます。
■節分(せつぶん)
節分には、鬼門や玄関にヒイラギとメザシを飾り、「鬼は外、福は内」といって豆をまいたあと、歳の数だけ豆をいただきます。ヒイラギとメザシは「厄除け」です。ところで、鬼とは何なのでしょうか。
鬼は例えば「なまはげ」という姿になったり「猩々(しょうじょう)」という姿になったりして各地の祭りに登場し、幼児を泣かせる役回りが多いような印象です。鬼に触られると元気で強い子に育つと言われます。「鬼退治(おにたいじ)」「山姥退治(やまんば)」の物語は昔話にも頻繁に登場しますしね。追いかけてくる山姥を豆に変身させて食ってしまうというお話もあります。動物の肉食をあまりしなかった日本人にとって「豆」は重要なたんぱく源であり、貴重な栄養素であったはずです。「鬼」は自分を食べようとしたり害をなそうとする厄災ですが、「鬼」という存在に打ち勝って強く知恵のある大人となるように・・・という願いが透けて見えてきますね。
”「鬼」という存在に打ち勝って強く知恵のある大人となるように”というのが節分の行事に込められた親の願いではあります。「鬼」は病気や、怪我、事故などという災いのほか、意地悪したい気持ち、憎しみ、恨み、嫉妬、弱虫、泣き虫という自分の弱い感情だと説明されることもあります。それらに打ち勝てるよう「鬼」と対峙するのです。
■死霊とたたかう陰陽師(おんみょうじ)
上記のような行事以外にも、神社では「夏越の大祓」「年越しの大祓」と年に二回の大祓が行われ、日常的に「厄除け祈祷」などが行われていますが、化け物を「封印する」とか「タマガエシ」する(よこしまな魂が術により一度死に、人間として再び生まれることができる)という秘儀が日本では行われてきました。「雨」「風」を呼び大地を鎮めるという業を行う人々がいたのです。陰陽寮で学び官僚としての陰陽師が一時期の日本におりまして、コヨミを読んだり天文学に通じたりして「死霊」「怨霊」「生霊」と対峙しました。そういうお話は『源氏物語』の中にもたびたび登場します。「生霊」が人を殺めてしまうことも物語のなかで起きています。が実際にそういうことが起きた可能性はあります。これも「鬼」の一つの姿でしょう。
■鬼の形相「般若の面(はんにゃのめん)」
お能(のう)に登場する「般若の面」が使用されるのは”嫉妬や恨みのこもる女性”を表現するときとされています。般若の面は顔が怖いだけでなく、角まで生やしています。まさに「鬼」。『源氏物語』の葵の上が六条御息所の嫉妬心に悩まされ、その生怨霊にとりつかれた時、般若経を読んで御修法(みずほう)を行い怨霊を退治したから、般若が面の名になったともいわれているのですね。
般若とは「叡智(えいち)」のことで、悟りを得た状態を指していますから、般若が鬼の形相を呈しているのは「教導するための怒り」の心境を表していると言えなくもないと思います。愚かなものどもを脅かすための「鬼」。そっち?鬼が退治するのかされるのか。複雑です。
けど、現実的には「鬼」は退治するもの。
そんな刷り込みが、筆者にもあるんでしょうかね。「鬼(ゾンビ)」に身をやつしたくないと思ってしまうのですが。(角をはやしていることもあるのに?苦笑、いや、だからこそ、か!)
ゾンビが流行るワケ
マイケル・ジャクソンのスリラーが世界中でヒットし6500万枚のギネス認定を受けたのが2012年。『スリラー』がゾンビに市民権をもたらした最大の契機だったのではないでしょうか。リリースは1982年ですから、すでに半世紀近く経っています。そのマイケル自身は2009年に死去しています。
もともとホラーなものが人の興味を引くという面はありますね。「見えないところを見たい」「暗い所へ行ってみたい」「知らない世界を体験したい」「あの世ってどんなところなのか知りたい」「悪びれてみたい」「悪の世界へ、死後なら行ってみたい」「怖いもの見たさ」なのかもしれません。死後の世界は生きている人間にとってもはわからないことだらけですから。
でも、そんな深くは考えていないであろう幼児もお化けは大好きです。
借りてくる絵本は全部「お化けもの」ということもあり閉口します。絵本の世界でも、本当にお化けものが増えたと感じています。
そのくせ、夜間にトイレに行けなくて大人を起こすので、大人は角をはやすという悪循環です。
ところで、一般的に知られる「引き寄せの法則」からみた場合、ゾンビや死者や悪魔の扮装はどのような効果があるのでしょうか。
ゾンビの仮装が引き寄せるもの
まずは、良く言われる「引き寄せの法則」なるものを上げていきます。
引き寄せの法則~エスターヒックス&ジェリー・ヒックス
■すべての思考はバイブレーションとして振動し、シグナルを発して共鳴するシグナルを呼び寄せている
■似た思考同士をつなぎ合わせる方法
■幸福感が生まれ未来への期待や喜びを求める感情が生まれれば「望みを叶えることに意識を向けている」
■「望みの欠如や喪失に意識を向けている」と悲観的な気持ち、自信喪失、不安、怒り、鬱を招くような状態に陥る
■望みを叶えるには望みのバイブレーションに自分を合わせる
■人はバイブレーションの受け手であると同時に、絶えずシグナルを発信している送り手で、現在、未来、宇宙全体に影響を及ぼしている
■人が発するシグナルによって、現在、未来、世界は変化している
■クリエイティブボックスに欲しい家具、拭く、景色、建物、旅行したい場所などの「画」を切り抜きを入れておくと引き寄せられる
■人は磁石のように思考や人、出来事、ライフスタイルなどあらゆるものを引き寄せている
ヒックス氏の理論で言えば、
ハロウィンに集まるゾンビ(死霊)の姿で歩くことは、ゾンビバイブレーションの「受け手」になることだし、同時にゾンビシグナルを発信している
ということになるようです。
こんなかわいくてオシャレなコスプレなら子どもにさせてみたいと思う人もいるのでしょう。コスプレ人気も不思議の国の「アリス」白雪姫やシンデレラなどの「プリンセス」「ヴィランズ」「ミッキーや仲間たち」「海賊」「魔女」などオシャレなコスプレ衣装であふれかえっていて、確かに魅力的ではありますが、子どもがますます悪魔的になるのだけはゴメンこうむりたいものです。ハッピーハロウィンなら最高です!
ハロウィンにはお菓子を配る
アメリカのハロウィンでは、カワイイお化けに変装した子どもたちが地域の家々を回り、「トリック・オア・トリート?」とお菓子をねだって歩くのが一般的のようです。お菓子をくれない家にはいたずらをしてもかまわないという暗黙のルールがあったようですが、どうなのでしょうね。
日本でハロウィンのお菓子を楽しむなら、仲間内のパーティや家族、会社でお菓子を配るのは、コミュニケーションにもなるし、いいかもしれませんね。
ハロウィンマシュマロ
チロルチョコハロウィン
ハロウィンマカロン
ハロウィンチョコレートボール
ハロウィンクッキー
ハロウィンキャンディー
等が人気のお菓子ですよ!
実録、ゾンビイベントの怪談
2012年のことです。筆者が参加していた団体とほかのグループがコラボしてゾンビイベントを行ったことがあります。一棟のテナントビルを借りてゾンビがお客様をお迎えするイベントを開催ところ、イベントスタッフにいろいろな支障が出てきました。「怪我をする」「失職する」「嫌な耳鳴りがするようになった」「誰もいないはずの部屋で、声が聞こえた」など。お守りの護符をスタッフに配る人すら出てきました。
成功したか?というと、テレビ取材が入ったにもかかわらず人出もイマイチだったと思います。特にゾンビの中でも主役級の役割を担った人は、大きな事故に遭いました。
これは偶然?
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