『ライフシフト』という本が2016年に出版され25万部が売れたそうです。
100年時代の人生戦略ということで、ロンドンビジネススクールの教授で人材論、組織論の権威であるリンダ・グラットン氏らにより著されました。
お金や会社に支配されない!という副題がついていました。
「支配されない」し「支配しない」社会のありかたを古代ギリシャではイソノミアと呼んで理想の社会とされていました。
支配しない、されない社会とはこの、ロンドンのビジネススクール教授が見通す人生100年時代の生き方にヒントがあるかもしれないな、という予感がします。
目次 Contents
三つのステージ「教育⇒仕事⇒引退」の終焉といいますが
人生80年時代にどっぷりつかっている日本では、子育てや仕事の引退後の夫婦暮らしに困ってしまうこともあって、熟年離婚まで待たずに離婚するということが増えていますよね。
人生が長すぎる件についての準備が足りていない事で子どもやシングルマザーの貧困・孤独死なども増えて深刻な問題になってきています。
『ライフシフト』で言う三つのステージは家庭生活の中でいうなら「教育⇒結婚や仕事⇒老後の生活」であって、家庭生活の中に”引退”という概念はないのです。
多くの日本家庭には「子育てからの引退」はあっても「家事」からの引退はありません。
主婦という役職からの引退は、昭和までは、お嫁さんに”しゃもじ”を渡した時でした。
しゃもじ争い
昭和までの大家族制のなかで、嫁と姑が家の仕切りの主導権を握るために火花を散らすことを”しゃもじ争い”と言いました。
おひつからご飯をよそうことは、食い扶持を家族に分配することと同じだったのでしょう。
核家族の現在では熟年離婚などが「引退」に当たると考えられます。
今は離婚ではなくあたらしいスタイルとして「卒婚」というスタイルを選択する人も増えています。
50歳で卒婚をするならば、残り50年の生き方を計画するのは確かに必要なことですね。
三つの新しいステージ「探求者⇒独立生産⇒複合的価値をつくるひと」
「エクスプローラー」は様々な可能性を試す、探検・探索の時期。新しい町に移ってその土地の人達と知り合ったり、知らない国を旅して自分の生き方について考えるというような「自分探し」ともいえるステージということです。
「インディペンデント・プロデューサー」は組織に雇われず、独立した立場で生産活動をする人のステージです。
「ポートフォリオワーカー」は異なる活動を同時並行で行うステージ。
有給の仕事を週何日か行い、地域と関わる活動、知人や親戚のための活動、趣味の活動など、さまざまな活動のバランスを主体的に取りながら生きる、有形無形の資産運用するごとくのステージです。
主婦という仕事は三番目の「ポートフォリオワーカー」であると考えられます。
フルタイムやパートタイムで仕事をし、PTAの役員を務め、子どもの受験に協力し、趣味でフルマラソンを走るというようにエネルギッシュに活動する人は、筆者の周囲にもたくさんいます。
「探求」したことを「独自に生産」に結び付けて世の中に寄与し、その上で「複合的価値にまで昇華させていく」というようなイメージでしょうか。
主婦という仕事は、家の整備から家族の食事、健康管理、家計管理、夫や子供との人間関係づくりまでおこなう複合的なものです。
主婦はカッコよく言えば「ポートフォリオワーカー」下手をすると・・・
複雑な仕事にもかかわらず、主婦業について勉強をした人はあまりいないでしょう。
大家族制の時には主婦修行というものがありましたが、今はそれが崩壊しています。
単発でお料理学校や、洋裁学校、家事塾のようなものはまだあるのでしょうけれども、トータルフォローできるものではありません。
「主婦はポートフォリオワーカー」と言えるとおもいますが、十分な準備をしたうえでのポートフォリオワーカーでないことが大きな弱点です。
行き当たりばったりってこうなった系の主婦稼業はやっぱり大抵は下働きのようで、シンデレラのように「支配される」のです。
何にって?
それは「お金」と「労働」に、です。
「労働」は「時間」と言い換えてもいいです。
支配されないで、主婦力を価値に変える方法は?
会社の方針や、雇用条件にとらわれないでいたいと願う人も多いかと思いますが、パートやバイトにはいるとき、シフトとかタイムカードとか使って管理されます。
ウチの娘のバイト先でこんな試みがあったそうです。内容はこうです。
シフトを決めない。
休みたい時に連絡入れずに休み、出たい時にも連絡入れずに出る。
帰る時間も出勤時間も自分の自由。それで不都合が起きるかと言えば、それほど起きないそうです。
パートさんは稼ぎに来ているわけだから、稼ぎたいだけ出勤する。
穴が開きそうなときはパート同士でやりくりをし調整能力がついてくる。
自律的に出勤するので体調不良も少ないし、家族に迷惑をかけるストレスもなく職場環境が改善する。
など、シフトを決めないパート仕事にはいいことが多いそうです。
娘によれば、どうしても穴が開いてしまったときは社員さんが穴埋めをやってるそうですが。
こんな会社なら子育て中でも働きやすいでしょうね。
なにしろ、「会社に支配されている」ストレスは激減しますからね。
こんな会社が増えればいいのですね。
ただ、会社頼りでは前に進みませんから、支配されないために今からでもできることを考えましょう。
まずは、自分自身が身に着けてきた”主婦力”を分析してみましょう。
主婦力の分析
主婦力は大きく四つのタイプに分かれます。
(土性)家事・実務/お料理、お掃除、洗濯などの家事が得意な人
(水性)コミュケーション・行事/家族イベントを企画、旅行計画、BBQ、パーティなど家族がつながる企画が得意な人
(火性)目標/体力づくり、山登り、家を建てるなど、特に夫婦が同じエネルギーで取り組める目標を作るのが得意な人
(風性)知力・管理/家計管理、健康管理、家の体質と家族の精神文化をけん引するのが得意な人
土性タイプの主婦力を価値に変える分野
土性タイプは太陽星座で言えばおうし座、おとめ座、やぎ座です。
家事代行業、料理家、片付けコンサルタント、専業主婦、システムづくりなど
家事実務が得意なのでですが、仕事をとるためにはインターネットの得意な風性タイプやコミュニケーション能力が高い水性タイプと組むといいです。
水性タイプの主婦力を価値に変える分野
水性タイプは太陽星座で言えばかに座、さそり座、うお座です。
サロネーゼ、ネットワークビジネス、マッチングサービスなどコミュニケーション能力の高さを生かします。
コミュニケーション能力が高く人とつながる独自の感性が豊かです。
一番役に立てると思える場所で仕事をしましょう。
火性タイプの主婦力を価値に変える分野
火性タイプは太陽星座で言えばおひつじ座、しし座、いて座です。
インストラクター、起業、セミナー講師など目標を示して指針をつくる働きをします。
人の能力に意味を見出し行動する動機をあたえることが得意なので、プロデューサー的立場に押されやすい人です。
風性タイプの主婦力を価値に変える分野
風性タイプは太陽星座で言えばふたご座、てんびん座、みずがめ座です。
ネットビジネス、ライターなどすでにあるシステムを利用して能力を発揮します。
土性タイプがつくったシステムや、火性タイプが発見してくれる能力を生かしてさらに広げ流行を作る人です。
おそらくはどんな人も地・水・火・風すべての要素が、多かれ少なかれ混合して持っています。
主婦力は仕事に活かそうと思えばとても有用に働くということを実感しています。
ということで主婦力をお金に変える方法はこのほかにもたくさんあります。
ただ、主婦力を発揮しようとしたときに「縛り」や「制限」を感じてしまうことがあるでしょう。
次には、現在あなたを支配しているものの正体を探りましょう。
12の支配。あなたはどれにあてはまる?
支配されないあり方を考える時、その対象は会社だけじゃありませんよね。
顧客
時間
お金
健康
家族や友人
家
モノ
情報
知恵
暮らし
地域
年齢
あなたが自分の行動を不自由にさせていると感じるものはどれでしょう。
家族や友人がよかれと思って新しい行動を止めることがあります。
大事な人がひどい経験をしないようにと必死で止めるのです。
善意はときとして、勇気ある前進を押しとどめて縛ることがあります。
主婦のライフシフト
人工知能搭載の家電製品や、スーパーのお惣菜コーナーや、代行サービスの登場で消えていく主婦仕事は確実にあるでしょうね。
家電の三種の神器と言われていた時代に、家事時間と労働が劇的に減少したように、今後も主婦の仕事は様変わりし、宇宙家族の世界に入っていくのでしょう。
それでも、やっぱり主婦・主夫ってなくならないでしょ。
人が育っていく場を保持していく力は絶対必要だと思うのです。
誰かの評価されないからというのも辛いことですが、主婦・主夫本人が自分を認めないのは哀しいです。
「仕事ではキャリアが残るけど家庭に入ったら何もない」という意識こそシフトしなければと思います。
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