仕事とお金

【カスハラ緊急対策】現場で行うクレーム対処、怒りのコントロール法

1.カスハラ対策

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カスタマーハラスメントのことを【カスハラ】といって、厚生労働省の報告書の中にも登場してきているという現在、世界のあちこちでカスタマーによる店員へのハラスメントが報道されています。

ただのクレームではなく、カスタマーによる「謝罪文をかけ」「土下座しろ」「死ね」といったり熱いラーメンを投げつけてくる、SNSに実名投稿されたという「悪質クレーム」を言ってくるハラスメントが世の中に横行しているようなのです。とあるアンケートでは8万人のうち7割が顧客からの迷惑行為に遭ったといいます。その中で精神疾患になった人は約600人。カスハラは日本だけの問題ではなく、世界的にも問題になっています。

ちょっと前までは「クレーマー」と言っていたのですが、クレーマーというだけでは、理不尽なクレームを受けた方の「心身の傷」を表現できませんからね、たしかに。クレームがトラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)で仕事をやめるケースも多いでしょう。どのように対処してくことができるのでしょうか。



カスハラの具体例

顧客による嫌がらせーカスタマーハラスメント【カスハラ】。その具体例としては次のようなものがあります。

・注文品がなかなか出てこなかったと、お客様に文句をいわれた。「出来上がったものはこちらに表示されることになっています。見てませんでしたか」と仕組みを説明すると「馬鹿にしてるのか!」と品物を頭に投げつけられた。

・購入した商品に、異物が混入していたとのクレーム。異物を調べてみると歯の詰め物だったので伝えると、従業員のものじゃないのか、写真撮ってあるんだと暗にSNS投稿をほのめかされた。工場作業員の歯を調べたが該当者はいなかった。歯の検査費用数十万は会社でみることになったとなった。

・聞きたいことがあったので「お姉さん!」と店員を何度も呼んだが対応してくれなかった。●●は態度が悪いので辞めさせた方がいいと言われた。

・スーパーの閉店間近に、総菜が売り切れているところへやってきた客が怒り、俺は客だぞ、作れと言われた。上のやつに”社員教育がなっとらん。やめさせろ”と言ってやる。

・小さめのズボンを試着して破ってしまった客が「縫製が悪い」と言い張った。何着も同じサイズのものを着て破り「縫製が悪い」といった。

消費者による度を越した要求が、窓口になった従業員や会社にとって大きなストレスとなっています。悪質消費者は、従業員を精神的に追い詰めて、仕事を辞めざるを得ない状況に追い込むこともあるのです。

しかし、従業員と顧客との対話の中で、従業員が適切でない言葉を発した場合はどうでしょうか。
具体例の最初にあげたものは韓国でのカスハラ報道のものですが、従業員が発した「見ていませんでしたか?」という言葉はニュアンスによっては、システムを知らないお客さんに不親切な言葉だったかもしれません。従業員の教育不足でおきたぶしつけな状況に、客が正当に注意したことまでカスハラになってしまっては、おもてなしの国のサービス業はガタガタになります。

カスハラが横行する背景

カスハラが横行する背景には、日本の質の高いサービスが消費者の間に「過剰期待」を高めたこと(あまやかし?)や、社会が不寛容化していること、格差の広がりによる軋轢(あつれき)などもあるといいます。「やってもらってあたりまえ」「客だから何をやっても許される」「あそこはこうしてくれたぞ」という風にサービス競争となり過剰サービスが標準になっていくことが問題だと。軋轢はストレスとなり、ストレスのはけ口として自分が優位に立ててる「顧客」立場で、下に見える「店員」に対して憂さを晴らすと。そのようななかで、行き過ぎたクレームは、対応する企業の人材不足を加速させる要因ともなり、ますますきめ細やかなサービス不足となった現場にクレームがくるという悪循環が起きているようです。

会社にとっては、あることないことを書かれる不適切なSNS投稿にたいしてどう対処できるのか、従業員をクレーマーからどうやって守れるのかは死活問題にもなりかねません。「暴言」「威嚇」「恫喝まがい」「繰り返しの説教」「長時間拘束」「セクハラ行為」「金品の要求」「暴力」「土下座要求」をする悪質カスタマーにどう対抗できるのでしょう。

カスハラ対処法ー世界の動向

国連の国際労働機関・ILO

顧客などからのハラスメントに対処するための国際条約を2019年に成立させようとしています。

韓国のカスハラ対策

韓国でも切れるお客さんが多くて問題になっているという話を家族から聞いていたら、テレビでもやっていましたね。
韓国では、従業員を守れなかった会社に対して最高1,000万円の罰金を支払う法律ができたとのことです。

2017年10月全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟 『悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査』

このアンケートが実施された背景には、次のような理由があるとしています。

・報道等で謝罪している場面を数多く見かけるようになり、日常的に消費者から店舗で謝罪要求を受けるようになっている
・消費者の不当な要求を受け日常の仕事に支障が生じ、流通・サービス業に従事する労働者に大きなストレスを与える
・消費者からの不当な要求は、ハラスメントの新しい領域としても社会的な問題となっている
・私たちの産業は、顧客第一主義を大原則に掲げ、消費者の行動は常に正しいとの認識が強く、消費者からの意見に対しては不当なものであっても耐えなくてはいけない風潮がある
・そのこと(風潮)が社会的にもモンスター化する消費者を助長させ、接客応対の難しさから退職者の増加や働く仕事として敬遠される傾向にある

このアンケート調査が厚生労働省を動かしました。

厚生労働省 カスハラについての報告書

2018年1月26日 第7回「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」においてカスタマーハラスメントについての話題がでて「必要であれば、カスタマーハラスメント検討会も立ち上げることが望ましい」という意見がでました。
2018年3月14日 「悪質クレーム」に対策の検討に着手がきまり、月内にもまとめる職場のパワーハラスメント防止に関する報告書案の中に、同じ職場の悩みとして「カスタマー(顧客)ハラスメント」を明記するという流れになりました。

パワハラ防止検討策の中で同じようなものとしてカスタマーハラスメント防止策に国が乗り出したところです。

報道されるカスハラ

2018年11月12日 NHK『クローズアップ現代』でカスハラが取り上げられました。その後、12月になり朝やお昼の情報番組などでも次々に報道され、「カスハラ」の言葉が一般の耳に届くようになりました。

夢の国を提供するオリエンタルランドでのパワハラ報道は、少なからずショックを受けました。夢の国で働くことを夢見て仕事に従事していただろうことを思えば、残念なことでした。カスタマーハラスメントが「サービス向上」の行く末にあったとしたら、それもまた本末転倒なことです。

そんな中で、働く側の会社が従業員を守ろうとする事例を紹介していました。

スタッフはお店の宝物。お客様の奴隷ではない

居酒屋チェーンの貼り紙に学ぶ、人としてのあり方

「お客様は神様ではありません。また、

当店のスタッフは、お客様の奴隷ではありません。

当店にとって一人一人が大切な宝物なのです。

皆様のご理解とご協力をお願いいたします。」

この貼り紙は居酒屋チェーン5店舗すべてに2018年8月に貼りだされたそうです。

ちなみに、「奴隷」ではなく「宝物」としてご協力願いたい具体的なことは、「スタッフへの注文の仕方」でした。

「おい、生ビール」と注文した場合の値段は1杯1,000円
「生一つ持ってきてー」と注文した場合は1杯500円
「すみません、生一つください」と注文した場合は1杯380円(原価)

だそうです。ユーモアにあふれていますね。

この貼り紙を出すきっかけは次のようなものでした。

スタッフにつらく当たるお客様を見かけた時、お客様と、サービスを提供するお店側はあくまで立場は対等だとおもってきた自分(居酒屋副社長)は納得がいかなかったということがあったそうです。客とお店の関係性を一度立ち止まって考えるきっかけになればとおもったということで、実際は金額を変えていただくことはないということです。

副社長のした貼り紙はすぐにSNSで話題になり、賛否両論の意見が出たということです。当時テレビ取材を受けたものを見た覚えがあります。

スタッフがお客様の奴隷であるはずはなく、お客様は神様どころか王様でもない。それはまったく同感です。

また業界全体で悪質クレーマーへの対抗策を持っている業界もあるとか。

日本菓子BB協会のカスハラ対策

「日本菓子BB協会では現物がないものには対応しないよう申し合わせております」
という風に悪質クレーム対抗策を打っているそうです。業界全体で悪質カスタマーを締め出すというのは、会社単体で行うより取り組みいし効果も出そうですね。

悪質と思われるものに対しては毅然とした「お断り」が必要です。しかし「甘やかせる」サービスと、そうでないサービスの差は、どこかにあるものなのでしょうか。
その差が見極められないと、日本的な高度なおもてなしの心やサービスが衰退し、失われていく危機を感じます。

人を増長させるサービスとは

子どもが何かを欲しがり泣きわめく、暴れる、たたく、逆恨みする・・・子どもの性格にもよりますが、そういうことって日常的に起こります。

何かを欲しがるこどもにへの対処の仕方にはこんな差があります。

アイスクリームを欲しがる子どもがいました。

おじいちゃん「いいよ、いいよ」

子どもは全部食べられなくて途中で放置する。そしてすぐに別のを欲しがる。

おじいちゃん「いいよ。いいよ。好きなだけ食べればいいよ。」

フルタイムで仕事をしているママには怒れるような甘い対応です。おじいちゃんの対応では、こどもはわがまま放題の子供になるだろう。と思われました。しかし、結果としては、わがまま放題の子供ではなく節度のある子に育ちました。この子はサービス(愛情)を満タンにして育ったと言えるのでしょう。

逆に増長して限りなく「くれ、くれ」いう時の心はどうなっているのでしょうか。お金持ちの家の子が湯水のようにお金を使い、止まらなくなるケースもよくあるようです。「寂しさ」「虚しさ」「心に空いた穴」を埋める行為だそうです。ほしいものはお金ではなく「そばにいてくれること」「手作りのご飯」だったりするので、お金では心のアナは埋められないということです。こどもにクレジットカードを渡すなどの”サービス”を良いこととして親は差し出したけれども、子どもにとってはいらないサービスだったということになります。

心に何かが欠けてしまったので、不満に思う心理は、クレーマーも子どもも同じかもしれません。(故意におこなう悪質クレーマーの場合は論外です)
つまり、欲しいものを与えず、いらないサービス(理由もわからず謝るなど)をし続けも増長するばかり、ということになるのではないでしょうか。

・・・まあ、親も子どもによく言いますよね。何かが起きてトラブったらとにかくまず「謝りなさい」と。いけませんね、その言葉。
訳が分からない怒りをお客さんが発したとき、謝る前にまずは、双方が落ち着きましょう。



怒りをコントロールするアンガーマネージメント

アンガーマネージメントとは、怒りの感情をコントロールする手法で、1970年代にアメリカで生まれました。アンガーマネジメントを学ぶことで、人が人に当たらないこと、怒りが連鎖しないようにしようと2017年には約22万人が講座受講したということです。

アンガーマネージメント大賞一位は大阪なおみ選手

2018年12月14日に『第4回アンガーマネージメント大賞2018』が発表されました。
2018年、上手に怒りの感情をコントロールし対応した有名人に贈られるものです。

第一位 大阪なおみ(女子プロテニス選手)

逆に怒りの感情をコントロールすることに失敗してしまった有名人

第一位 セリーナ・ウィリアムズ(女子プロテニス選手)

ということだったそうです。

ちなみに怒りを感じたニュース・出来事の1位は「東名高速の追い越し車線事故」でした。あおり運転の末高速道路死亡事故を起こした被告もアンガーマネージメントを学ぶ必要があると思いますね。子どもが切れやすいと言われるようになってすでに長いのですが、社会全体に「切れやすさ」が蔓延しているような感じで、ハラスメントに至っていることも多いと思われます。

怒りの感情をコントロールする方法

まず、自分の怒り方の癖を知る「アンガーマネージメント」
怒り方には大きく分けて6つあるとしています。「公明正大タイプ」「博学多才タイプ」「威風堂々タイプ」「外柔内剛タイプ」「用心堅固タイプ」「天真爛漫タイプ」のどれに当たるかを診断し、タイプ別にそんなことに怒れるか、またイライラを減らす方法やなどを知識として持つということです。

怒りのタイプ診断

その上で、次のようなことを気を付けるとよいそうです。

・機嫌でおこらないこと
・怒る目的は相手に次からは同じことをさせないようにすること、と理解する
・人格攻撃はしないこと。あくまでも「罪を憎んで人を憎まず」の姿勢で
・NGワードを使わない。「いつもそうだよね」「絶対」「必ず」「前から言おうと思っていた」もNGワード

出典元:ヴォーグ

呼吸法で怒りを収める

相手に面と向かっていると、相手の呼吸に自分が合わせてしまうことがあります。怒っている人の意気は荒いので、影響を受けて心臓がバクバク落ち着かなくなる経験は誰しもあるでしょう。

呼吸を整えることで、落ち着いて話し合いをする状況を作り出します。

1.口をすぼめてすべての息を吐ききる
2.鼻からゆっくり息を吸い込みます
3.吐いて、吸ってを10回

これは怒っている方も、怒られた方にも役に立ちます。

 

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