ビール券は、商品券やギフト券の一種であり額面と同じ価値を持つ「金券」です。
ただし、額面が1,000円のギフト券が1,000円の買い物をできるのとは異なり、850円で購入したビール券は784円分しか使えません。差額の約60円は流通経費だそうです。ですから、自分用で購入するメリットは全くありません。ビール券がありがたいのは「額面を相手に伝えないで贈ることができる」というところです。特に、社用でちょっとしたご褒美にして喜ばれやすいという点で優れています。ビール券について順に解説していきます。
目次 Contents
ビール券の種類・購入価格
ビール券は正式には「ビール共通券」といいます。全国酒販協同組合連合会が発行している金券です。当連合会では、2018年12月現在以下の金券を発行しています。
・ビール共通券《びん633㎖2本》/希望小売価格850円/使える金額大びん2本分784円/有効期限2026年3月31日※アサヒスーパードライ・キリンラガー・サッポロ〈生〉黒ラベル・サントリーモルツと同等品
・ビーツ共通券《缶350㎖2缶》/希望小売価格539円/使える金額494円/有効期限2026年3月31日
・清酒特選券1.8ℓ一本/希望小売価格2,602円/使える金額2,355円/有効期限2026年3月31日
・清酒上選券1.8ℓ一本/希望小売価格2,240円/使える金額2,017円/有効期限2026年3月31日
上記のビール・清酒券が発行されています。
ビール券はどんなお店で使えるのでしょうか。
ビール券を使えるお店とビール券で使える金額
ビールなど販売している「◎」を□で囲ったマークのお店で使うことができます。
お酒を扱っているスーパー、コンビニ、ドラッグストア、酒店ならだいたいは《びん633㎖2本》と交換してもらえるでしょう。以下にビール券などの上限金額をあげておきます。
《びん633㎖2本》の場合は784円
《缶350㎖2缶》の場合は494円
《特選券1.8ℓ1本》の場合は2,355円
《上選券1.8ℓ1本》の場合は2,017円
ということです。ビール券の左下の記号で金額がわかるようになっています。
「A-21-0784」の記号がありますが、末尾が使える金額です。
ただ、お酒のディスカウントショップもありますし売値はお店によって異なりますよね。そういう場合、差額はどうなるのでしょうか。
よく買い物をするお店に、「何と交換できるか」「いくらまで交換できるのか」を聞いてみました。
お店によって異なるビール券で交換できる品々
筆者が良くいくお店でビール券を使えるか、何に使えるかなどを電話でうかがってみました。
イオン大高店
ビール券で使えるもの/ビール・発泡酒・第三のビール(ビール風味の発泡アルコール飲料)・ノンアルコールビールに限る
交換できる金額/券の左下の記号の末尾番号が使える金額になります。《びん633㎖2本》の場合は784円です。
所在地/愛知県名古屋市緑区南大高二丁目450番地
営業時間/食品8:00~23:00
問い合わせ先/052-626-2600
HP
ベイシア フードセンター常滑店
ビール券で使えるもの/アルコール類が1個以上含まれる、店内販売品
交換できる金額/《びん633㎖2本》の場合はフードセンター常滑店の売価1本321円×2で642円まで購入できるとのお話
所在地/愛知県常滑市飛香台3-3-2
営業時間/9:30~20:00
問い合わせ先/0569‐36-3900
総合ディスカウントセンター ドン.キホーテ東海名和店
ビール券で使えるもの/店内販売品ならなんでもOK
交換できる金額/券の左下の記号の末尾番号が使える金額になります。《びん633㎖2本》の場合は784円です。
所在地/愛知県東海市名和町日向根100
営業時間/9:30~20:00
問い合わせ先/052-689-3111
ファミリーマーケット(よくある質問)
ビール券で使えるもの/原則、券面に表記されている対象商品のみの交換
交換できるもの/《びん633㎖2本》の場合アサヒスーパードライ・キリンラガー・サッポロ〈生〉黒ラベル・サントリーモルツと同等品
ということで、普通のギフトカードに比べれば使える範囲も金額的にも使用者のメリットは感じられませんね。購入した価格よりも実質使える額は低いわけですし、どこにメリットがあるのでしょうか。また、どんな歴史があるのでしょう。
ビール券を使えるネットショップ
ビール券を使えるネットショップを一部ご紹介しておきます。
なんでも酒ゃカクヤス
取扱商品/6000点を超える酒類
支払方法/現金、ビール券など金券、クレジットカード
ビール券支払方法/代金引換払いを選択した場合ビール券での支払いができます。手数料一枚につき10円かかります
ネットショップ
その他の通販酒店でも代金引換サービスを行っているところも多いのですが、ビール券で支払えるかどうかはわかりませんでした。酒類を扱うネットスーパーでも特定の商品券・ギフト券を使えるところはありましたが、ビール券は使えないようです。
ビール券の最大メリットとは
ビールの全国流通券は、1969年(昭和44年)にアサヒビールが発行を開始したのを皮切りに、翌1970年にキリンビール、サッポロビール、サントリーの三社が参入したそうです。さらに1971年(昭和46年)には全酒協(全国酒販協同組合連合会)が発券を始めましたが、量販店が低価格で販売を開始しビール価格のオープン価格化に伴い、ビール券の価値が変動することや、ビール券制度の使い勝手の悪さ、苦情が相次いだために、アサヒ・キリン・サントリーの三社は2005年に撤退、サッポロが2009年に撤退して現在は全酒協のみとなりました。
撤退の原因は「ビール券」の利用規定があいまいで、「何と交換できるか」「額面より低い買い物の場合お釣りをどうするか」という規定は特になくお店ごとの判断に任せているという状況であり、使う場所によっては「損」を被るという、消費者にとってはありがたくないものだったことが要因の一つだとされています。ビール券を購入した時点でお金の価値は下がり、安いビールを購入したら差額分は損をするという、二重苦の商品券。苦笑
こんなビール券を好んで使われる場とはどんなところなのでしょうか。贈り物以外の使われ方はあまり考えられませんね。お中元やお歳暮で活躍したようです。ですが、普通の家庭のお中元やお歳暮ならば、他のお店の商品券やカード会社のギフト券の方がよっぽど使いやすいでしょう。
しかし、商品名が券についていることで喜ばれる場合があります。
大人に少額の贈り物をしたいときに役立つビール券
相手が20歳以上の大人であればちょっとしたお礼やご挨拶の時にビール券は活躍します。相手がビール好きだとわかっていればなおのこと。ちょっとものを借りたお礼に、ご近所の引っ越し御挨拶に、送ってもらったお礼に、金銭を渡すのははばかられますが、額面があからさまについていないビール券には思わず顔をほころばせるのではないでしょうか。差し上げる方も「うちでは飲む人がいないので」とか、遠慮されずにもらっていただきやすいのです。大阪のおばちゃんなら飴ちゃんを上げる時のような、ほほえましいやり取りが想像できます。「もらいものですが」とおすそ分けするような場面は、今はめっきり少なくなっていますが、「おすそ分け」の形の一つになるのではないでしょうか。
経費で購入、もらってうれしい副賞のビール券
会社からのお中元やお歳暮など交際費として落とすこともあるでしょうが、社内コンペの副賞や、忘年会のビンゴ大会の副賞、草刈りお手伝いのご褒美などに経費でビール券を購入することは多いと見られます。
ということで、ビール券の大きなベネフィットは「額面があからさまについていない、少額の贈り物」ができるという点です。お米券との違いは「ビール券」がし好品であり、より「よろこび」につながりやすいところでしょうか。渡す相手がビール好きなら1,000円の商品券よりも冷えた瓶ビール2本分の方がよほど感動するかもしれません。
ビール券はこう使おう
ビール券が手元にあったら、満額、店内商品でつかえるショップを探しましょう。うちの近くではドン.キホーテがねらい目です。お酒もあるし食料品もあるし、服や、電化製品などいろいろ取揃っています。数が多いなら、金券ショップで換金してもいいですね。瓶ビール2本と交換し、連れと乾杯するひと時を楽しむのも吉!そうすれば、やぱり嬉しさは1,000円のギフト券より大きいのかも!?
逆にさしあげる立場なら、経費で購入しますね。1万円以上ならギフト券、少額贈呈に使用するならビール券はありです。
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